
この冬、息子の通う高校ではスキーの授業が4,5回あるそうです。1日4時間くらい、学年みんなでお弁当を持って市内の大きなスキー場に行き、練習やテストをやるんだって。
小学校3年生から6年間アルペンの競技スキーをやっていたのに、高校になってからは陸上競技に集中したためにスキーはあんまりしなくなった彼は、スキー授業が楽しみで仕方ない様子。前の日からソワソワしたりしてます。
ところが、ある朝はスキー授業のその日なのに猛吹雪。電車に乗って高校まで通うので、ウェアやブーツ、ヘルメットなど一式を吹雪の中を持って学校まで行かなければなりません。
いつもの通り、僕は朝、彼を駅まで車で送って行きますが、フロントガラスの外は吹雪でホワイトアウト。真っ白でどこを走ってるかわからなくなるくらいです。
「あーあ、学校まで送ってくれないかなぁ・・」と息子くん。
「え?何言ってんのよ?」
学校まで送っていくには、雪がなくとも往復1時間はかかります。
どうも話を聞いてみると、彼の友だちのAくんは、吹雪で大変だろうからとお母さんに学校まで送ってもらえるそうです。
「なんでうちは送ってもらえないのよ?」
あのね、自分で行けないわけじゃないよね?途中までは電車だし、駅から学校まで吹雪の中だろうと歩いていけるでしょ?普段の道なんだし。
「うーん・・」と納得がいかない様子。
そりゃ、優しく送ってあげることもできないこともないけどね。
そんなことして良いのかっていうこと。
「もう、うちの教育方針を疑うよ・・、オレが親になったらそうはしないな」などと言いながら、車を降りて行きました。
*
どうなんだろう?吹雪の中、大荷物を持って歩かせるのはかわいそう?
もっとも、もし明らかに危険があるとか、どうやっても持ちきれないほどの荷物だとしたら、助けてあげるだろうけど、、今回は自分で完結できるのだから・・。
「送らない!」とは言い切ったものの、一方で、彼は「自分が親なら子どもにそんなことさせない!」とも言い切り、なんとなくモヤモヤ・・。
もし彼がこのことを反面教師として、将来の来たる彼の子に、“送ってあげる子育て”をしたら、それはそれでどうなるのだろう、とまで考え、、
育てるとはどういうことのか、子への優しさとはどういうものなのか・・、方向がわからなくなりました・・ホワイトアウト。
どうなんでしょうね?
*

3月になりました。あと1ヶ月もしたら、お米の種を撒き、苗を育て始めます。
きっとまだ雪が残り、冷たい雪どけ水を使いながらの、厳しい育苗になるでしょう。
お米づくりの僕の農家の先生の言葉を思い出します。
―「稲は小さい頃から厳しく育てれば、強くなるもんだ」。
“オレが親になったら・・”、
強くなれよ。息子くん。
(わたなべまさゆき 2025年3月)