お腹が空いた夕刻に。


案の定、この夏の干ばつのせいで水が溜まらない田んぼがいくつもあります‥。

中学3年生の息子くんのPTA親子スポーツ大会みたいなのがありました。

雨が降った10月最後の日曜日。

僕は、お米の出荷の仕事を終えた後、雨のチャンスを逃さまいと急いで田んぼの代かきに向かいました。

つい数日前、水をためてトラクターで泥を作ってキレイにならしたのに、すぐに水が漏れてどこかへ行ってしまい、田面が乾いてしまった田んぼ。
それを雨が降って水が多いうちに、もう一度かき混ぜて泥をつくりなおしたい、ということです。

いざ、トラクターに乗って田んぼに入り直してみると、あんなにトロトロにした泥は、やっぱり乾いて固くなってしまっていて田の底の方にまで水を届けるのが大変。

夏の干ばつで深く入ったヒビにもう一度細かい泥の粒子を流し込んで水漏れをふさぐ。そんなイメージで泥をかき回していきました。それが、なかなか・・。

そのうちに水も足りなくなり、あっという間に夕暮れ、陽が落ちて、ほとんど田んぼの面が見えなくなってしまいました。
最後までやってしまわないとと、トラクターの小さなライトをつけて照らしながら、なんとか一応の作業を終えました。

もはや、真っ暗。

家に帰ると、子どもたちが2人だけで待っていました。
ママは、参加したスポーツ大会が終わって帰宅し、夕食の下準備をしてくれた後、PTAの慰労会に行ったとのこと。

はぁ、つかれたぁ〜。と・・

「お風呂準備できてるから入りな〜!」とソファから息子くん、
「パパ〜、ごはん準備するから食べよ〜!」と台所から娘ちゃん、

同時にそんな声が聞こえました。

なんとも・・。

パパが暗くなっても外仕事してたのを気づかってくれたのか、
今年は穫れたお米が少なくて、なんか必死になってるパパを気づかってくれてるのか、
それとも、ただ自分たちのお腹が空いてるだけなのか(それだけでないと、勝手に信じよう‥笑)。

雨でぬれて冷えた体が、いっぺんに温かくなるような気持ちになりました。

学校行事にも僕はなかなか疎遠で、
子どもたちを旅行や楽しいイベントに連れて行ってあげたりも、
いいものを買ってあげたりも、
特別な経験や、やりたいことも、
十分にやらせてあげられてないような日頃だけど、

この子たちは、“これ”についてはこれでいい、、、

ほんとにいい子たちだなぁ・・って。

ひいき目を差し引いても、そんなふうに思いました。

親とは、子をどこへ導いてあげたらいいんでしょうね、

導くというか、子は、生活の中で様々を知り得、感じ取って、自ら育っていくものなんだろうな。

親の冴えない日常を感じ取っているかもと、いささか不安を感じつつも、
とにかく彼らの将来が幸せであるよう、心から願うこの頃です。

(わたなべまさゆき 2023年11月)

関連記事

PAGE TOP