お米、食べものの本質って? ―「評価」

稲刈り、乾燥調整、検査を終えて、「直送」のみなさまへの新米の出荷を開始しています

待ってくださっているみなさま、本当に、本当にありがとうございます。

ニュースなどでもご存知でしょうか?
心配して声をかけてくださったみなさまには、残念さや悲しさをを分かち合っていただけている思い、ありがたい気持ちです。

今年は、高温続きと降雨不足のため、収穫したお米の「評価(等級)」が、新潟県全体で極端に下がってしまっています。

お米は収穫後、出荷の前に検査員による「検査」を受けますが、未成熟のお米粒や、病気や虫食いで被害を受けた米粒、また今年みたいに高温が続くと発生する白っぽい米粒などが、採取したサンプルのうち何割(何粒)あるかによって、一等、二等、三等、規格外というふうに格付けがされ、それによって農協などへの出荷価格が決まってきます。

わが家では、虫食いを少なくするため、有機由来の虫よけを撒いたり(通常は化学由来の殺虫剤を撒きます)、害虫の発生源となる畦の雑草を丁寧に刈ったり、農薬成分のない殺菌剤を使ったりしています。

しかしながら・・、今年8月の、過去にないような高温・日照りの連続や、ちょっとした雨がたった2回しか降らなかったという、“自然のごきげん”の良し悪しには打つ手がありません。

わが家にとってもこんなことはじめて・・。

検査の結果、わが家のお米は、一等米~規格外まで全部ありましたが、その多くは、「三等」「規格外」でした。

新潟県全体をみても、今年のコシヒカリの一等米比率はたった1%(去年は81%)、三等米は全体の67%だとか。
農協などへの出荷価格は、三等米だと約4割もさがり、規格外だとほぼもうほとんど主食米としての値打ちはありません。

わが家では、直接お送りするお客さまへのお米は、一等〜二等のお米を在庫にしましたが、それでも、正直なところ、去年にくらべると白っぽいお米が少なくないようです(さらに、色で識別する機械で選別をかけてからお届けするようにします)。

今日の夕方のニュースでは、実食の検査をしたところ「おいしい。一等でも三等でも、味は変わらないんですよね」と、品評会に参加した方々がもぐもぐしながらおっしゃっていました。

そう、お米は炊けば結局は白くなるんですから。

うーん・・、評価って、何のためにやってるんだろう??
事実、ほぼ、「見た目」での評価ということです。

仕方ないのかなぁ・・。

ほんと、春から丁寧に、一つ一つを心込めて仕事してきたのに、悔しい限り。
涙が出るくらいです・・。

生きものをいただくという意味での、お米、食べものの本質とは何なんだろう?

売り物としての見た目、外見?
評価としての食味?

手に届いたときの感覚から、調理するときの“よろこび”、
ほおばり、思い馳せて、“心で感じる”おいしさ、
家族や心通じる人たちと食卓を囲む楽しさ、

食べるその人その人が、感じる幸せとは?

何はともあれ・・、仕方ないのかな・・?
何はともあれ・・、僕たちは、一つ一つを心込めてがんばり、稲も、耐え抜いて育ってきました。

(わたなべまさゆき 2023年10月)

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