生き抜いたいのちの味

 

あっという間に2025年も終わり。毎年毎年だけど、稲刈りから大晦日までの時の速さには、ほんとびっくりしてしまいます。

こうして一年一年、いつの間にか皺が刻まれていくんだなぁ。

あらためて、今年もわが家のお米を召し上がってくださった皆さま、心よりありがとうございました。

この雪国の棚田地域でお米づくりをはじめて、12作目が終わりました。

この夏は、ますますの異常な猛暑に加え、一ヶ月半あまりも全く雨が降らない期間があって、半分くらいの稲が枯れたり成長不良になったり、経験したことのない大規模な干害を被災して、その結果、40%以上もの減収となりました。

稲刈りの期間中はあまりの収穫量の少なさに、肩を落としため息をつく毎日でした。
春も夏もあんなにがんばってきたのになぁ・・。

それでも、刈取りを進め、籾の乾燥調製を進め、玄米にし、精米にし、ご注文いただいたご家庭への発送を進めていくと、

今年もありがとう
新米ありがたくいただきます
瑞々しく甘みがあってとってもおいしかった

など一つ一つお声をいただき、救われる気持ちでした。

中でも、
「(何年か買わせているけれど)今年のお米が一番おいしいように思う」

というお声にはびっくりするとともに、重かった肩の荷が降りた気がして心底ほっとしました。

稲にとって種を身ごもるいちばん大切な時期に、雨水もわき水もあげられず、極度の渇水状態となったため、成長ができなかったり、穂を出せなかったりで、お米の量だけでなく、食味にも大きく影響してしまうのではないかとずっと心配していました。

せっかく楽しみにして注文いただいたのに、今年はやっぱりあんまりおいしくないねぇ・・となったら、どれだけ申し訳ないことか。

今年、有機の肥料の割合を大きく増やしました。
乾燥の工程をずいぶんゆっくり時間を掛けて行いました。
お届けする直前の選別も丁寧に行いました。

でも、そういうことではなかったのかも。

秋に近所の誰かが言っていました。
「今年は穂が小さくなった分だけ、稲もおいしい実をつけないとたくさん食べてもらえないもんな」

厳しい状況で生き抜いてきたからこそ、少ない実りだったからこそ、稲は充実した実をつけようとする、のかもしれません。

必死に生き、子孫を残すための稲といういのちの力。

皆さまからいただいた「おいしい」は、きっと稲が生き抜こうとした味わいなのでしょう。

今年、稲と同じように苦しみ、なんとかやり抜いた僕たちにも何か、充実した種が残ったのかな・・。

新しい年、春になったらまたその種を手にがんばりたいなと思います。

今年も一年間、本当におつかれさま。
心よりありがとうございました。

(わたなべまさゆき 2025年12月)

 

 

 

 

 

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