農村・田んぼには「多面的機能」があると認められていることをご存知でしょうか?
お米を育てるだけでなく、その他にも“多面的”にいろんな役割がある、ということです。
洪水や土砂崩れを防ぐ、地下水をつくる、文化を継承する、生き物の多様性を保つ、暑さをやわらげる、学習や教育に貢献する、など様々です。
(農林水産省ホームページより)
・・で、その農村・田んぼの多面的機能は、かのSDGs(※持続可能な開発目標)とも関連付けられています。
ちょっと細かいですが、つまり、国連で採択された世界共通の国際目標に対して、この田舎の山奥で田んぼを維持し活かすことでも、これらのSDGsの項目に貢献できる、ということなんです。
(農林水産省ホームページより)
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わが家も田んぼはもちろん多面的機能を十分に意識しながら大事にしている他、
・地域慣行基準比で、農薬や化学窒素成分を5割以上削減したのお米の栽培
・農地を維持し、集落・ここにしかない日本の価値を守りつなぐために、農業後継者発掘・育成の活動の主導
・地域コミュニティ全体で農地・農業を維持していけるために、事務手続きなどの後方支援
・教育機会の提供として、都市部より中高生などの農業体験を受入れ
・異業種とのパートナーシップとして、障がい者の方々の工房やデザイン事務所との協働(商品仕入れや業務委託)
などなど、ただお米をつくるということだけでなく、そこから地域や社会を担うことにもつなげたいと思って仕事しています。
まぁ、SDGsとかそういうことでもないんですけど、、自分たちが心地よいことを選択して楽しみたいということと、
せっかくだから、
みなさまお一人お一人・誰にでもあると思う、「社会や誰かのためになりたい」という気持ちを、僕たちのお米を通して表せるようにしてみたい
ということでもあります。
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いや、たぶん、それは僕たちの意思というよりも、
そんなふうに、人のつながりを広げながら皆にとっての心地よい幸せを創り出すことを、「雪国の棚田で育った恵みのお米」そのものが望んでいる、そんな気がするんです。
お米一粒一粒には神さまが宿っているとも聞きました。
僕たちは、小さな神さまたちの声に耳を澄まして、その声をじゃましないようにお手伝いをしたい、そういうことなんだと思います。
未来、世界、国際、社会、農村、田んぼ、そして・・みなさんのお茶碗にあるお米粒。
ぜひじっくりと眺め、何を語ろうとしているか耳を澄ましてみてくださいね。
(わたなべまさゆき 2023年11月)
※SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略で、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴールが設定されています。